世界は隠されたパスワードに満ちている。
歴史は繰り返すというけど、人類の歴史は、対立、分裂、統合の繰り返しだったよね。時代が動くとき、いくつものシンクロが重なる。それはまるで暗示のように、有史以来愚かしいほど繰り返してきた対立から統合という一連の流れをわたしたちの前に提示してみせる。
未来を切り拓くうえで、シンクロを読み解く作業は必要不可欠だけど、同時にそれはまるで鏡返しのように強烈な暗示作用をもっている。目の前の出来事を読み解くだけでは時代の流れを変えることはできない。むしろ知らないうちに時代の呪縛に絡めとられてしまう。
じゃあ、どうしたらいいのか?
読み解いた答えを未来に結びつけるには、時代の深層に横たわる根底の意志ともいうべきテーマを見つけることなんだよね。
そこで必要になってくるのが発想の転換。固定観念の打破と言い換かえてもいい。従来の発想にとらわれない、より自由な視点を持ったとき、時代の提示してくるテーマをクリアする方法が見えてくる。
最新の心理カウンセリングの現場では欝などの治療にさいして、固定観念や根拠のない思い込みをとっぱらって物事を別の角度から捉えなおすことによって、自分の中の可能性を拓くという手法がとられているんだよね。最近ではこうした方法を経営に応用することによって、業績を上げている会社がぽつぽつと現れ始めている。
ビジネスに応用できるなら、政治にだってじゅうぶん可能だよね。
というより昔から優れた政治家や経営者、あるいは時代を切り開いた先人たちは、無意識にこうした意識の使い方を知っていたんだよね。
今を象徴するキーワードを見つける→深層の意志を読む→流れを味方につける→具体的な行動に移す→現実が変化する
状況を意識的に変化させてゆくとき、多くの場合、物事は上記のようなプロセスをたどる。今回の解散総選挙の流れを心理学や象徴学の視点で眺めてみると、表舞台だけ見ていたときにはわからなかった本質がきっと見えてくる。
というわけで、6/28付けの原稿「時代の流れを読め」で、世の中全体の流れは「双子(陰陽)」というキーワードで動いていると書いたけど、今回の解散総選挙の流れもそのまんまだね。衆議院と参議院を「陰と陽」と読むなら、衆議院可決、参議院否決は陰陽分裂そのままの結果になってしまった。さらに衆議院内部、自民党内部においても、いろんな意味で対立がくっきりと浮き彫りになったよね。
もちろんいつの時代にだって対立はある。むしろ人間の歴史なんて対立と分裂、そして統合を繰り返してきたといってもいいよね。それならなぜ、あえて対立がキーワードだという見方をするのか? それは以前の原稿にも書いたとおり、大きなニュースの共通パターンや象徴的なキーワードをみていくと、おのずと「双子」が浮上してくるんだよね。
深層の意思が特定のキーワードを提示してくるには意味がある。
唐突だけど、時代の根底に流れている、全体をある方向に押し流してゆくエネルギーには、その時々で傾向があるんだよね。
たとえば今年は平成17年。
神道では17は弁天さんの音霊と考えられている。弁天さんっていうのは、七福神のひとりで琵琶をもった水を司る女神さまで知られているよね。これだけ聞くとなにやら優しげなイメージなんだけど、じつは本来の弁天さんに象徴されるエネルギーは男性的で強烈な破壊力をもっているんだよね。
水は命の源だけど、反面、津波や洪水を引き起こし、すべてを押し流してしまう圧倒的な破壊力をもつ。また美しく澄んだ水は鏡のように物事の本来の姿を映しだす。
ここから17のつく日や年は弁天さんの性質が作用するため、激しい浄化作用がでると考えられているんだよね。
具体的にはよくも悪くも、物事の結果が出る。それまでうやむやにしてきた悪事がばれたり、本音が露見したり。もちろん努力が報われることもある。どちらにせよその結果の出方は激しいものがあって、これでもかというほど膿がでてくる。阿修羅と観音、まさに弁天さんのもつふたつの顔そのものなんだよね。
さらによりシャーマニックな視点でみると、弁天さんに象徴されるエネルギーは「水」と相反する「火」の性質も持っているんだよね。
火というのは、人間なら誰もが抱えている煩悩、迷い、葛藤といったものを徹底的に吐き出させ、意識させることによって、昇華させてゆく性質がある。さらにマグマや噴火、地震などの地殻変動も火の作用だよね。ここから考えられるのは地震などの物理的な外部環境の変化と同時に、社会システムや人間の心といった精神的な面でも地殻変動が起きやすいってことなんだよね。
さらにカバラでは17は特別の日とされている。あ、カバラっていうのは古代へブライに受け継がれてきた物事を読み解く方法で、そのカバラで重要視されている事のひとつにノアの箱舟があるんだよね。
旧約聖書ではノアの大洪水が始まったのが2月17日で、ノア族がアララト山だったかな、とにかく洪水の及ばない高い山にたどり着いたのが7月17日。ここから17という数字は激動の幕開け、破壊と救済を象徴しているんだよね。
カバラも神道も偶然の一致にしちゃ、やけに意味合いが重なる。
「弁天の性質」「破壊と救済」「水と火」。
いずれも双子のパスワードと繋がってゆく。
政治に話を戻せば、解散によってそれぞれの立場がくっきり浮かびあがったよね。政治に無関心な層が危機感をもったという意味ではプラスに働いているのかも(笑)。解散の真価が問われるのは、この先どういう形で再統合するかなんだろう。弁天さんの猛威はこの程度じゃすまない。これでもかというほど、全体の膿を出す形で進む。同時に地殻変動やアジアの軍事バランスの変化を伴いながら、次々と難題が浮上してくる。そしてこれは個人の生活にもいえるんだよね。政界をみて、自分を振り返れとばかりにね。
材料は出揃った。
問題はこれを「次」につなげるには、双子に象徴されるパスワードをどう扱うか、だよね。
(「2 破壊と創造 双子の提示するふたつの未来」に続く)
※ この原稿はH17.8/24、「現役雑誌記者による、ブログ調査分析報道」さんに寄稿掲載されたものです。