HOME >プライベート☆ルーム >その1 「えっ? そんなの聞いてないよー」
その2 イメージトレーニング
講習二日目の朝を迎えて、気分はブルー一色。
すでに前日の午後からシュノーケルをレギュレーターに変え、タンクを背負っての講習が始まっています。
なんでこんなにブルーかっていうと、ひとえに水が怖いうえに鼻を塞がれると窒息するような気がするからの二点。
でもこの日は風もなく、ピッカピカの快晴。
気分を立て直して今日もがんばるっ!
今日は昨日とは場所をかえて、港の一角にあるビーチ。
水深は午前午後とも最大で3メートルぐらいまで潜りました。きのうとはうって変わって、水深1.5メートルほどの場所でも色とりどりの熱帯魚がうろうろしてるのに感激!
あいかわらず恐怖心は完全には抜けないけど、いくらか水に慣れてきた感じがする。
そして講習三日目。
この日はいよいよボートダイビングです。
場所はダンヌ餌付けポイント。水深は最大6.2メートル。
これまでのビーチからのエントリーとは違って、船でダイブポイントまでゆき、そこからドボンと海に飛び込むスタイルです。
え〜そんなことわたしにできるのぉ? と、内心うろたえていたのを見透かしたのか、
「だいじょうぶ。やることは基本的に今までと同じです」
という上田さんの無情なひと言。
どうしよう〜緊張のせいか、心臓がバクバクしてきた。
だいじょうぶという上田さんの声に励まされ、しっかりとレギュレーターをくわえ、思いきって海に飛び込む。
BCにエアをいれ、いったん浮上。
ここからあらためてBCのエアを抜き、ゆっくりと潜行してゆきます。
水中は軽いうねりがあったけど、25メートルという透明度の良さ。海底はもちろん、ずっと向こうにあるさんご礁や魚たちの群れがくっきりと見える。
しだいに水中にいることに慣れてくると、ずいぶん呼吸が楽になってきた。上田さんのあとについて、ゆっくりと水中を移動します。
なかなか中性浮力がとれず、すぐに体が浮かんでいきそうになる(汗)。
でもとにかく、無事船まで戻ることができました。
午後は同じダンヌ餌付けポイントだけど、すこし深場・・・といっても最大で11.2メートルほどだけど。
この日の講習が終わって部屋に戻って考えた。
たしかに慣れてきてはいるけど、こんなんじゃ二日後にひかえた遺跡ポイントまで、とてもいけるとは思えない。なによりも水に対する極度の恐怖が抜けきらないのがキツイ。
そこで、ふと思いついたのがイメージトレーニング。
イメージトレーニングっていうのはインナースペースファンタジーでも少し説明したけど、ようするになりたい自分のイメージを潜在意識にインプットする方法です。
さんざんお客さんにイメージトレーニングの効用を言っておいて、わたしが水が怖いなんて言っていたんじゃ、あまりにも情けないよなー。
というわけで、さっそく自分で試してみることにしました。これまでいろいろイメトレはしてきたつもりだったけど、こういう、ある意味で極限状態でのイメトレははじめて。
目をとじる・・・。
ゆっくりとした深い呼吸に切り替える。
水の中をゆったりと気持ち良さそうに泳いでいる自分をイメージする・・・うん・・・いい感じ・・・。写真で見た遺跡ポイントの上を穏やかに泳いでいる自分になりきっていく・・・すでに気分は部屋ではなく海の中・・・。レギュレーターをくわえ、楽に呼吸しているイメージ・・・実際に水中でしているつもりでゆっくりと吸って・・・・・・吐く・・・・・・吸って・・・・・・・吐く・・・・・・。しだいに気持ちが穏やかに安定してくる。水の中は気持ちいい・・・。
時間にして20分ぐらいかな。いつのまにか、あれほど強烈な恐怖心とプレッシャーがなくなっていました。
たったこれだけと思うかもしれないけど、たったこれだけがとっても大きい。とくにダイビングはメンタルな要素の大きいスポーツだといいます。水中でトラブルが起きたとき、技術よりも精神状態が命に直結するからです。何か起こったときにパニックになってしまえば命を落とす危険性が高い。逆に、まずひと呼吸おいてから落ち着いて対処すれば、なんなくクリアできることも多いからです。
その意味では、わたしの心の中の過剰な恐怖心と、そこから発生するネガティブな精神状態を通常の精神状態に戻すことはダイビングを安全に楽しむうえでかなり効果が大きいはず。
ふつうはここでイメージトレーニングは終わるんだけど、じつは今回わたしが試してみた事はもうひとつありました。
海神、あるいは海の精霊たちをイメージしたんです。そしてかれらに心の中で伝えました。
明日・・・あなたたちの場所にお邪魔します。力をかしてください・・・と。
迷信などと笑ってはいけません(笑)。
たとえば知り合いの海人(沖縄の漁師のこと)は、今でも海に出るときは海の神々と祖霊に漁の安全と豊漁を祈ります。 これだけで精神的にぐっと安定するんだと思う。そして自然に対する畏怖の思いと守られているという安心感があるから、いざという時に的確な状況判断ができる精神状態を保つことができるんじゃないかなあ。
さて講習四日目。
場所は前日と同じダンヌ餌付けポイントなんだけど、今日はドリフトダイビングです。
ドリフトというのは船からエントリーしたあと、潮の流れにのって水中を楽しみながら移動しつつ、エントリー地点とは別の場所で浮上します。そこで待っていると、船がダイバーを拾いにきます。もちろん浮上するエキジット地点はあらかじめ船のキャプテンと打ち合わせておくので海に取り残される心配はまずありません。
さてさてダイビングの結果はというと、技術面はともかく、精神面はバッチリでした。
前日までの恐怖とプレッシャーが嘘のように、とても安定しした気持ちで潜ることができました。
あれほど苦しいと思っていたレギュレーターでの呼吸も楽になったし、なによりも海に抱かれているという感覚がとても強くて、本当に気持ちよかった。この日、はじめてゆっくりと海中を眺めたような気がします。
この日の夕方、Cカードの仮の認定書をもらいました!
ついにキョーコもダイバーの仲間入り。
明日はいよいよ待望の海底遺跡に潜ります。